今シーズンのJリーグ移籍ニュースで一番の衝撃だったでしょう。「昌子源選手、トゥールーズからガンバ大阪への電撃移籍」。昌子選手と言えば、ガンバ大阪ジュニアユースで育成年代を過ごしていた事もあり、久しぶりの古巣帰還となります。
しかし、念願の欧州移籍が叶ったのに、何故Jリーグに帰還したのか?前在籍の鹿島アントラーズではなかったのか?詳しく見ていきましょう。
目次
昌子源プロフィール
昌子選手と言えば、中学年代からガンバ大阪ジュニアユースに在籍しており、宇佐美貴史選手や、大森晃太郎選手(現ジュビロ磐田)とチームメイトでした。
ガンバ大阪ジュニアユース出身と言えば、現在ブラジルセリエAボタフォゴに移籍した本田圭佑選手や、フランクフルトで活躍している鎌田大地選手が有名ですね。昌子選手は中学2年の時に膝を怪我してしまい、中学3年生の時にガンバ大阪ジュニアユースを退団してしまいます。
それから、父親の勧めもあって、鳥取県のサッカー強豪校米子北高校で新たなサッカー人生をスタートさせます。当時フォワードだった彼でしたが、センターバックにコンバートし、見事に才能が開花します。そして、高校卒業と同時に名門クラブ鹿島アントラーズの門を叩きます。
■昌子源プロフィール
出身地 | 兵庫県神戸市北区 |
生年月日 | 1992年12月11日 |
ポジション | センターバック |
利き足 | 右足 |
在籍チーム | ・鹿島アントラーズ/2011〜2018 ・トゥールーズ/2019〜2020 ・ガンバ大阪/2020〜 |
代表歴 | 日本代表/2015〜 |
秋田豊氏や岩政大樹氏、植田直道選手など、日本を代表するセンターバックを数多く育ててきた実績を持つ鹿島アントラーズで、彼は不動の地位を築きあげます。2014年には全試合フル出場を果たし、Jリーグベストイレブンに選ばれます。2016年のクラブワールドカップでは、世界2位に貢献するまで実力をつけていきました。
彼は驕る事なく成長を続け、日本代表としてロシアワールドカップのピッチに立ちます。ベルギー戦後の彼の悔し涙は、多くのサポーターの心を打ちました。
彼の実績が実を結び、2018年12月に念願だった欧州移籍を果たす事になります。そして、2019年1月に欧州デビューを飾り、コンスタントに出場を重ねていきましたが、怪我に悩まされ続けたのと監督交代という不運が重なり、ついにはJリーグ復帰を決断します。
昌子源のトゥールーズでの成績
昌子源選手は、怪我するまで主力として活躍しており、世界トップクラスのアタッカー、パリサンジェルマンに在籍しているキリアン・エムバペとも対峙した経験を持ちます。昌子源のトゥールーズでのキャリアを下の表にまとめてみました。
在籍年度 | 出場試合 |
※2018〜2019 | 20 |
2019〜2020 | 1 |
※2018〜2019シーズンは、リーグ戦及びカップ戦での合計試合数
昌子源の怪我はなぜ長期化したのかを調査
昌子源選手は、2018〜2019シーズンにコンスタントに試合を重ね、チームの信頼を得てきます。しかし、2019年のプレシーズンマッチで右ハムストリングを負傷。そして、復帰した試合で右足首を負傷していきます。
怪我が一向に治らない事に疑問を感じた昌子源選手は、メディカルスタッフに日本での治療を要請します。しかし、メディカルスタッフはこれを固辞します。メディカルとチームに対する不信感が日に日に増していきます。
Jリーグでもそうですが、基本は外国のチームに在籍して負傷した場合、母国に帰って診察を受け、所定の治療をします。現在では、名古屋グランパスのジョー選手が足首の治療のため、母国のブラジルに帰国しています。
過去には、長谷部選手やシャルケ時代の内田選手も、怪我の際には日本に帰り治療をしていました。そのため、怪我が長期化している昌子源選手に帰国の許可を与えなかったチームに不信感を抱くのは、極めて当然とも言えるでしょう。
昌子源はなぜガンバ大阪に移籍した?
昌子選手は、移籍の際鹿島アントラーズ側にコンタクトを取っていました。しかしながら、天皇杯決勝とAFCチャンピオンズリーグのプレイオフまで期間が短かった事もあり、鹿島側は既にディフェンスの陣容を固めた後でした。川崎フロンターレから奈良選手を獲得したため、時すでに遅しといった状況になりました。
そこで次にコンタクトを取ったのがガンバ大阪です。ガンバは昨シーズンから3バックシステムを採用していますが、右センターバックが未だ固定されない状況が続いていました。ここで両者の思惑が一致し、晴れてガンバ大阪への帰還が決まったのです。
昌子源はなぜガンバ大阪に移籍した?長い間の怪我が原因か?|まとめ
3シーズンぶりにJリーグに帰ってきた昌子源選手。キャンプにも帯同し、まだ本調子とは言えないまでも、ゲームをこなすなど回復は順調のようです。
同じセンターバックの三浦選手や、キーパーの東口選手ともよくコミュニケーションをとり、来週開幕するJリーグに備えて準備をしっかりしているのが伺えます。
辛かったフランス時代を乗り越えた事は、いつしか彼にとって大きな財産となる事でしょう。そして、ガンバに久しぶりのタイトルをもたらしてくれるのではないかと、期待しているサポーターも多くいます。
しかし、そう簡単には行かないのがJリーグです。
国内最高峰のアタッカーと、世界最高峰のパサーイニエスタを擁するヴィッセル神戸や、昨シーズンJリーグチャンピオンの横浜Fマリノス、ディフェンダー陣を混乱に陥れるパスサッカーを展開する川崎フロンターレ、古巣鹿島アントラーズなど、ガンバディフェンス陣に向けて猛攻を仕掛けてくるでしょう。
しかし、それを跳ね返し、またクラブワールドカップの時に魅せてくれた、あの輝きを放ってくれると期待しています。そして、日本代表に帰ってきてまた欧州への扉を開けてくれる事を願っています。
昌子源選手の今シーズンは目が離せません。そして、昌子源選手お帰りなさい。Jリーグのピッチに立つ姿を待っています。