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サッカーのポゼッションとは?【意味や特徴・メリット・デメリットを解説】

サッカーのポゼッションとは?【意味や特徴・メリット・デメリットを解説】
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サッカー中継でよく耳にする「ポゼッション」。サッカーの戦術の一つであり、かつては完成された戦略とも言われ、世界のクラブチームがこぞってポゼッションサッカーを目指していました。

そこで今回は、ポゼッションとは何なのか?メリットやデメリットはあるのか?本記事ではポゼッションについて詳しくご紹介します。

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サッカーのポゼッションとは?

ポゼッションとは自チームがボールを保持してゴールを目指す戦術の事です。パスやキープ、ドリブルを駆使し相手にボールを持たせずにゴールチャンスを作る戦略です。

サッカー界の伝説となっている、ヨハン・クライフ氏が編み出した戦術で、FCバルセロナスペイン代表がこの戦術を使ってサッカー界をリードしてきました。

ポゼッションサッカーの特徴

ポゼッションは、サッカーの試合全90分間で自チームでのボール保持の時間を長くする事で攻撃チャンスを増やす事が大きな特徴です。相手がボールを持つ時間を短くする事でディフェンスの負担を減らし、自軍でボールを保持し続ける事で余分な体力を使わず攻撃に専念できます。

そのためには味方同士の距離は常に近くなければなりません。どんなに遠くても2m以内と言われています。味方同士の距離を近くする事で相手はディフェンスに行きづらくなり、パスをカットされる危険が減ります。仮にボールを奪われたとしても、味方がすぐ近くにいますのでディフェンスに切り替える速度が速くなり、すばやくボールを奪い返して攻撃を再開させる事が可能になります。

そして指針となるのが、ポゼッション率です。

数値が高ければ高いほど自軍でボールを保持している時間が長く、相手がボールを持つ時間が短いという事になりますので、それだけ攻撃チャンスを作れていると判断する事ができます。

ポゼッションサッカーのメリット

サッカーでは、絶対に相手に負けない方法がたった一つだけあります。それは、自チームが前後半90分間ボールをずっと持ち続ける事です。相手がボールを持たなければ相手はゴールはおろか攻撃すらできませんので、点を取られる心配はまずありません。最低でもスコアレスドローに持ち込む事ができます。

それを最も完成に近づけたのがFCバルセロナです。2011年クラブワールドカップ決勝、サントスFC戦、FCバルセロナな常にボールを保持し続けサントスを圧倒。何もさせないまま4対0という圧倒的なスコアで世界の頂点に君臨しました。

ポゼッションサッカーのデメリット

ポゼッションはゴールを奪う一つの「手段」に過ぎず、ボールを保持する事が「目的」ではありません。従ってボールも持ち続ける事がかえってデメリットになる場合もあります。

まずカウンターを主体としているチームはボールを保持しない状況に慣れていますので、簡単にボールを奪いにはきません。ブロックを作るのが早く、パスを通すコースを直ぐ様消しにきます。これでは中々ゴールチャンスは作れませんし、カウンターされるリスクも上がってきます。長年日本代表がアジアで苦戦しているのも、このことが大きな要因になっています。

ポゼッションサッカーは相手のディフェンスラインを崩してゴールを奪う事が醍醐味で、サッカーのゴールシーンで最も綺麗とされていますが、実はどんな強豪チームでもフォーメーションを崩したゴールは全体の15%程度しかありません。

ほとんどのゴールはコーナーキックなどのセットプレイやPK、カウンターから得点が生まれています。昨シーズンの名古屋グランパスが優勝候補に挙げられながらも、残留争いにまで陥ったのは、ポゼッションを重視するあまり、セットプレイやカウンターでの得点が非常に少なかった事が原因とされています。

現代サッカーでは、パスを効果的に繋ぎ、ゴールを奪う事が主流となっていますので余分なパスをなるべく減らして攻撃を展開させるチームが増えています。

ポゼッションに適したフォーメーションとは?

ポゼッションは相手にボールを奪われず、自チームでボールを保持する戦術ですので、当然味方同士の距離は近くなります。いわゆるコンパクトにするという事ですが、このシステムに見合ったフォーメーションが4-3-3です。

全てのフィールド上で三角形を作る事ができるこのシステムは、攻撃でも守備でも力を発揮します。常に3人が三角形を作る事により数的優位を生み出す事ができるため、相手を崩しながら攻撃をする事が可能になります。

守備でも三角形を意地する事によって、数的優位を作り出し素早くボールを奪う事もできます。FCバルセロナの恐ろしさは正にここから来ています。

ポゼッションサッカーの対策は?

ポゼッションサッカーはディフェンスを崩してゴールチャンスを作りますので、ディフェンスは常に崩れないようにラインをしっかりと維持する事が最も重要です。

しかし、ボールを見ているだけのディフェンス、いわゆるボールウォッチャーではいけません。

ボールウォッチャーとは?

サッカーのボールウォッチャーとはボールばかり見ている人のことを指します。

相手がどこにいて、どこに行こうとしているかを的確に判断してスペースを消し、ドリブルやシュートを打たせないディフェンスをする、そしてボールが奪えるチャンスが来たらボールを奪い、素早くカウンターを仕掛けゴールを奪うのが理想です。

先日あったAFCU-23選手権の日本対シリア戦88分のゴールが正にそれですね。日本はボールを保持しながらも中々相手を崩せず、ボールを奪われ一気にカウンターを喰らいゴールを決まられてしまいました。

サッカーのポゼッションとは?【意味や特徴・メリット・デメリットを解説】まとめ

ポゼッションはゴールを奪うための手段で、ポゼッションを駆使したゴールはやはり美しく、遡れば2010年FIFAワールドカップ・スペイン対ポルトガル63分のゴールや、2013年オランダ対日本60分のゴール2018年の川崎フロンターレ対ヴィッセル神戸69分のゴールなどチームが連動したゴールシーンがたくさんあります。

現在ではカウンターやセットプレイのゴールが多い中で、サッカー選手だったら一度はやってみたい「崩すゴール」、滅多に見れないからこそ価値があります。ポゼッションには速く素早いカウンターなど、選手も戦術も日々進化しています。無限の戦術があるサッカーを是非見て、美しいゴールを体感してみましょう。